日曜日、お休みして講習会に行ってきました。
歯科治療とデジタル機器の話、特にインプラントと補綴に焦点を当て、いかに日常診療にデジタル機器を導入するのか、というテーマでした。
日本は歯科医療のデジタル化については発展途上で、世界から大きく遅れています。
よこた歯科・矯正歯科クリニックでも、主に矯正歯科で口腔内スキャナを使っていますし、レントゲンも全てデジタル化していますが、これくらいは他国の歯科医院ですと珍しくもなんともない普通の光景です。
講師の先生が、IDCという国際的な歯科の見本市に行った際、目立っていたのはデジタル関連のブースで、従来の型取り材料のブースにはあまり人が集まっていなかったと仰っていました。最先端の歯科は、デジタルなしでは語れない時代になっているのです。
今後、型取りはデジタルに変わっていくと思います。
被せものを作る際は患者さんの口腔内の状態を正確にコピーする必要があります。その方法として従来から行われてきたのがアルジネートやシリコンによる型取りでした。オエッとなる方も多いと思います。
上手に採ればかなり正確なコピーができあがりますが、型取りの材料の変形や流し込む石膏の物理的な変形はどうしても起こります。
デジタルだと、型取り材料や石膏の物理的な原因による変形は起こり得ません。より精密なコピーが採れるわけです。ゴミも出ませんし、歯形を技工所に郵送したり取りに来てもらう必要がありません。
スキャンしてデータを送信するだけです。院内に設備があれば、その場で被せものなどが出来上がります。
またデジタルの別の強みとして、強力なシミュレーション機能があります。
インプラントですと実際の手術の前に何度もインプラントの種類や位置を検討することができ、その通りに手術が行えるようガイドを作成することが可能です。
被せものも形や咬み合わせなどを精密に調整し、最終的な補綴物に反映することができます。
顔の写真、CT画像、口腔内スキャンのデータを重ね合わせ、機能的にも審美的にもより良い補綴物を作ったり、顎と喉の動きをシミュレーションして効果的な睡眠時無呼吸症候群用のマウスピースを3Dプリンターで作ったり・・・。
コンピュータというのは本当にすごいものです。
もともとデジタル機器が大好きな私ですから、有用だと思ったデジタル機器は、積極的に取り入れていきたいと思っています。